「彼女こそ…私のエリスなのだろうか…」
お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ……
(StarDust)
10.StarDust
女は物言わぬ 可愛いだけの《お人形》(Doll)じゃないわ
──愛しい貴方解って?
ちっぽけな自尊心(もの) 満たす為の道具じゃないわ
──月夜の《別人格》(Another)は勝手?
首を絞めれば 締まるに決まってるじゃない
──月(Luna)が貴方を狂わせたの?
だってしょうがないじゃない 愛してしまったんだもの
──星(Stella)が私を狂わせたのは何故?
真っ赤な衣裝(Dress) 真っ赤な洋靴(Heel)
真っ赤な口紅(Rouge) 真っ赤な薔薇(Rose)
すれ違う男達 誰もが振り返る…
左手には花束 右手には約束を 疾りだした衝動は もう止まらない…
お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ…
貴方の白い衣裝(Shirt)も 今は鮮やかな深紅(Scarlet)
お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ……
「…屑でも構わないわ、いつか星になれるなら、輝いてる?ねぇ…私輝いてる?」
「綺麗な星空ね」…それは艶やかな女のため息
「君の方が綺麗だよ」…それは甘い男の囁き
夜空を見上げる戀人達 ありふれた風景
繰り返される戀模様 ほんの些細なこと
そんな気紛れなひと時を 永遠だと信じたりして
そんな不確かなものを 運命だと信じたりして
泣いたり 笑ったり 愛したり 憎んだりして
その束の間 遙か過去の光に想いを馳せたりして
あの星々はもう滅んでしまっているのだろうか?
それとも今もまだ滅びに向かって輝き続けているのだろうか?
光年という名の途方もない尺度の前では
人の一生など剎那の幻に過ぎないのかも知れない…
──そんな些細なこと されど偶然とはいえ
嗚呼…偶然とはいえ彼女は見てしまった
お揃いの白い服を著て幸せそうに寄り添い歩く
彼と見知らぬ女の姿を……
お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ…
貴方の白い衣裝(Shirt)も 今は──
「何故…何故なの…何故なのよ──!!」
酸素に觸れた赤は やがて黒に近づき示す
二人はもう永遠(とわ)に 一つにはなれないという事実を…
凍てついた銀瑠璃の星々 燃上がる滅びの煌きよ
失くした楽園の夢を見る 私を導け《星屑の幻燈》(The Light of StarDust)
──想い出を過去の光として埋葬出來ない限り
孤獨な亡霊は荒野を彷徨い続けるだろう
女の手は悲しい程に短く星屑には屆かない
嗚呼…その手を握り返したのは『仮面の男』だった──
~終わり~
- 专辑:Elysion 〜楽園幻想物語組曲〜
- 歌手:Sound Horizon
- 歌曲:Stardust