金魚恋想歌
夕闇の影法師 遠く聞こゆわらべ唄
人無き路地をぬけ 灯る牡丹の灯
影に満ちし 白檀の煙
呼びかける 暗闇の 格子の向こうから
あなたの哀を 口移しで結びませう
その暖かな舌先の 美味なる蜜を絡め
現と夢の 狭間へとおしてくだしゃんせ
伸ばす指を 金魚のように 求むるわたしに 触れて
心移ろいげな 透きの入った指先に
白い胸元から 嫉妬の闇が動く
雀の囀り 不安の音色
独毒への誘いは 永久を求めだす
指をからめて 綾とり遊びをいたしませう
体中を 舌も骨も すべてを絡ませて
わたしの指の 意図を解いてくだしゃんせ
その愛しき腕の中で 金魚のわたしを抱いて
月の夜に 綴った文を
あの人に 渡せずに 思いだけつのる
体を重ね 今宵宴を開きませう
ひとときだけ あなたの業を わたしの罪と絡め
誓いの指を 一つわたしにくだしゃんせ
格子の中 その指抱き 金魚のわたしは 眠る
- 专辑:幻恋楼閣談集
- 歌手:葉月ゆら
- 歌曲:金魚恋想歌