月も日も街も眠りにつけば
油のような闇の冷気が
唇から漏れる憂鬱が
爪のすき間に染みこんでくるのさ
どうした悲しげな顔をして
余計な心配はもう いらないのさ
夜が明ける前に消えるつもりだから
あいつを彼方に葬るのさ
心臓ごと怯える恐怖も
魂を灰にしてしまうよな虚無も
災いともこれでお别れさ
泣かないで 黙って
頷いてくれないか
深い霧の中で目覚めない
虚ろに淀(よど)む朝の冷気に
震えるような不安の種が
やがて心を蝕(むしば)んでくのさ
明日は明日の風が吹くのだから
昨天の穢れは消えればいい
降り積もる灰色の雪も
魂を石に変えるほどの孤独も
面倒ともこれでお別れさ
さよならのキスで
見送ってくれないか
窓を開け その白い鳩(はと)が
お前の手から 今 羽ばたいていくさ
あの鳩が闇を越えたなら
トラファルガー広場に光が刺す
ラビー二アの柔らかな香り
誰もがオレを恐れ憎むとしても
お前だけが わかっていればいい
泣かないで 黙って
微笑んでくれないか
終わり
- 专辑:おやすみメランコリア
- 歌手:藤原祐規
- 歌曲:おやすみメランコリア