ようやく届いたあなたの手紙 砂浜にすわりこんでまた読みかえす いつでもうすっぺらなあなたの手紙 いつでもあついのが私の手紙 Ah-風が私の髪をはげしく揺らすたびに Ah-あの日あのときの口づけ思い出す 青い島影そのうしろから ゆっくり出てくる黒い貨物船 私はひとりで浮かんでいるわ あなたの船のかじどこに向かうの Ah-波が大きな音ではげしく寄せるたびに Ah-あの日あなたの腕の力を思い出す たった一枚の便せんの上(うえ)に 面倒くさそうに文字が並んでいる 好きという字をいつもさがすのよ たった二