ねえ ねえ 僕の声は まだ君に届くかな あの夢に消えた君が 今でもそこにいるようで 近づけばはにかむ顔 僕の名前を呼ぶ声 そう願うように 満ちては溶け出す月明けけに 泣き虫な君が呼んでいる 悒々 入り江を彷徨えば 僕は幸せでしょうか 僕の隣と 君の隣を 不意に抜けた弥生の風 明日は帰ろう お家に帰ろう 君は无口のままで 思い出は取り残され 十日余りの月だけ もう見たくもない 溶けても満ちないこの夜に 僕だけが埋める最终便 悠々 揺蕩う 事触れに 君は悲しむだろうか 消えていく 波間の声 僕だけが
