流れていく弔いの灯は風を凪ぎ空へ 水上から流す 幸せを 小さな貴方と カタカタ 動き始める映写機 カタカタ 貴方がたてた 赤色の鯉のぼり 静かに空を泳ぐ 夕波に交錯してあきつが並ぶ 穏やかに流れていく波の音 遠く 深き終の瀞 涙霞 途切れぬ糸 外灯に群がる霧雨は無始礦劫 水面に乗せて ひとひら ふたひら わたし あなた わたし あなた 流れていく散華 あの人が好きだったぼんぼりに 赤い灯をともしつづけお化粧をする 笑いかたも忘れた 待てども待てども帰るはずのない貴方を待つ私は ひとり ひとり カ