あんなに激しい潮騒が あなたの背後(うしろ)で黙りこむ 身動きも出来ないの 見つめられて 夢で叫んだように くちびるは動くけれど 言葉は風になる 好きよ--でもね-- たぶん--きっと-- 話を外らして歩いても 心はそのまま置き去りね 昨日からはみ出した 私がいる 波の頁をめくる 時の見えない指さき 自信はないけれど 好きよ--でもね-- たぶん--きっと-- まだ早い夏の陽が あとずさるわ 透明な水の底 硝子の破片(かけら)が光る だから気をつけてね 好きよ--でもね-- たぶん--きっと--