華やいだ街に独り 時忘人は くれない色に彩られた壁 背にして 行き交いし人など目もくれず 誰を待つ 古びた 剣(つるぎ) 右手に小さく祈り 捧(ささ)ぐ 長きに渡る戦も終わりを告げたというのに 彼等は何処にいる 未だ緑ひとつ生えぬ 彼(か)の地で 戦い続けているのだろうか 僕は彼等を待つ 動いていた時が止まった 僕達は確かに其処にいた 風が凪いだ もう届かない 祈りは 泡沫(うたかた)に消え 逝(ゆ)くよう 聴こえていた声はもう無い 視(み)えない 障壁(かべ)に絶えず遮られ 繋がっていた糸は絡