二つの月が闇に浮かぶ 決シテ逃レルコトノデキヌ夜 声を失くした黒の世界 終焉を壊す始まりの鐘 地を這(は)う風が 深い森 悲劇を舞い踊らす 冷たさを喚(よ)び醒まして 振り返れない 戻れない 焼き綴(つづ)られた悪夢(ゆめ)は 現実を真実が 打ち砕くように 交錯する足音が 誘(いざな)う時間(とき)を連れて 今叫んだとしても 総て鐘の音に 呑み込まれてゆく 二つの月を闇が隠す 決シテ逃レルコトノデキヌ夜 景色を覆う白い世界 近づく度に雲が包み込む 瞳の奥に観せられた 絶望は果てしなく 過去と未来