赤い影に 誘われて 意識の淵で 我に返る 世迷言(よまいごと)は 泥濘(でいねい)に沈む 只 只 只 眺めていたんだ 紅を挿(さ)して 夢衣(ゆめころも) 五月雨(さみだれ)の都に浸した つたう露も 渇くほど 火照る肌は 救われぬ 華は散りとて世は回るる 憂(う)き背中は 悲しきかな この胸を締め付ける 儚さの香(か) 風は立ち民は我れ先と ハイカラに染まる町を横目に 我は此所(ここ)で 灰に成る 桜吹雪 ハラハラ舞い散る度 患(わずら)うが如(ごと)く 君想う 通り過ぎた季節を血で染めて 生命