身体が灼けるように熱いのは何故だろう- 黒煙 立ち上る空 馬車を走らせ 夜半(よわ)の嵐に胸騒ぎがする 猛火 群集う人 塵芥(じんかい)を掻き分け 目に映ずる悲憤(ひふん)と慷慨(こうがい) 外套(がいとう)で顔を覆い僕は震えた 人は容易く魂を売る 沫雪(あわゆき)のような灰となり あなたは消えてゆく 永遠に 不実の愛を信じたばかりに滅びを招いた 一度きりの願い 僕が決して許さなければ良かった 火柱が音も立てずに崩れて行く 飛び交う火の粉の奥に視線を向ける 鐘が終わりの時を告げていた 人の心を持